
佐藤 仰喜 氏
1984年秋田県大館市生まれ。
株式会社フィードイノベーション代表取締役。
高校卒業後、オーストラリアの大学に進学。2008 年、24歳で日本に戻った後、投資関連会社、新規ビジネスの立ち上げ、外資系コンサルティング会社などを経て、2013 年に起業。実家で父と農業生産法人を立ち上げるとともに、海外への販売を目的とした株式会社フィードイノベーションを設立。同年、国内第 1 号となるコメのハラール認証を取得し、イスラム圏をターゲットにコメの輸出に取り組む。このほか、食品の海外販路開拓や展示会出展、プロモーション企画、営業代行業務など海外進出マーケティングを支援している。
- 1 ■佐藤家で私が8代目
- 2 ■漠然と小さい頃から海外に行ってみたいという思いが強かった
- 3 ■転職相談に行ったら、起業を促されて、出資もしてもらいました
- 4 ■自分の排他的アクセス権は何だろう
- 5 ■日本のコメが海外で1キロ300円であれば、十分、勝負あるなと思いました
- 6 ■ニッチ戦略で非常に有効だなと思いハラールへの取り組みを始めました
- 7 ■とくに東南アジア、発展途上国といわれるところは賄賂がないとうまくいかない
- 8 ■もともと、ハラールというのは、身体にいいものという意味合い
- 9 ■UAE・ドバイへのコメ輸出は費用対効果が悪い
- 10 ■ハラールだと3、4年、4、5年やってきて、なかなか経営的になりゆかないなというのもありました
- 11 ■海外輸出を始めたい方を支援する事業
- 12 ■お客さんのニーズに応えるのが一番、コアなベースにあります
- 13 ■私は、食べるのは好き、味もけっこううるさいほうですけど、作るのはそこまでこだわりがない
- 14 ■ある一定のラインを越えると人間って認知できなくなる
- 15 ■農業の今まで付き合ってきた、周りの環境とか考え方、価値観とか、好きではなかった
- 16 ■みどり戦略は机上の空論
- 17 ■2030年予想だと、1戸あたりで担うコメは30トンになるわけです。つまり、作る人が減るので市場環境的にいうと、残存者利益が出てくるわけです
- 18 ■輸出用米の補助金がなくなったとしても。今、補助金が1俵あたりに換算すると、2000円か3000円で、補助金がなくても問題ない
- 19 ■買う人がほしいものを作れば売れる
- 20 ■業務委託という形にして、お米を販売するのではなく農作業を売る
- 21 ■農家さんは契約という概念がない
- 22 ■これからどんどん集約化して、インフラを使う人が少なくなれば、占有率はどんどん高くなっているわけです。この矛盾をただ、使っている人が少ないから、補助できませんというのであれば、そもそも生産を維持できない
■佐藤家で私が8代目
――最初に、株式会社フィードイノベーションについてお尋ねします。今年は設立されてからちょうど10年目ですよね。ご実家の農業法人とのつながりや、ご実家の農業の始まりについて、まず教えてください。
佐藤:それでは、会社を始めた経緯をお話しさせていただきます。ちょうど10期目に入りますが、あっという間の10年という感じです。
実家では、父親が代表を務める佐藤則久農園(合同会社ホサナ企画)でコメを生産しています。そして、株式会社フィードイノベーションでは販売とマーケティングをメインにしています。2社体制で10年目という感じです。
――佐藤家はもともと農家なのでしょうか?
佐藤:バックグラウンドからいうと、佐藤家で私が8代目といわれています。
大館市は秋田県の北部に位置し、林業が盛んな地域なので、祖父、曽祖父の時代は農業も林業もやっていました。それで、ずっと農業をやってきたわけです。ただ、林業がメインだったので、農業はちょっと片手間といいますか、農地もあるので、やっているという感じでした。
――農業はどなたがされていましたか?