コメ輸出50~60トン、年間200トンのコメを通して生産者と消費者の新しい「食のツナガリ」をつくり出す佐藤仰喜氏の農業観・農地観

佐藤 仰喜 氏

1984年秋田県大館市生まれ。
株式会社フィードイノベーション代表取締役。

高校卒業後、オーストラリアの大学に進学。2008 年、24歳で日本に戻った後、投資関連会社、新規ビジネスの立ち上げ、外資系コンサルティング会社などを経て、2013 年に起業。実家で父と農業生産法人を立ち上げるとともに、海外への販売を目的とした株式会社フィードイノベーションを設立。同年、国内第 1 号となるコメのハラール認証を取得し、イスラム圏をターゲットにコメの輸出に取り組む。このほか、食品の海外販路開拓や展示会出展、プロモーション企画、営業代行業務など海外進出マーケティングを支援している。

大手外食チェーン、加工冷食メーカー等との契約栽培の経験多数で、年間約200トンのコメを取り扱いながら、生産者と消費者の新しい「食のツナガリ」をつくり出している。現在、コメの輸出量は年間50~60トンにのぼる。
 
 
 
 
 
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■佐藤家で私が8代目

――最初に、株式会社フィードイノベーションについてお尋ねします。今年は設立されてからちょうど10年目ですよね。ご実家の農業法人とのつながりや、ご実家の農業の始まりについて、まず教えてください。

佐藤:それでは、会社を始めた経緯をお話しさせていただきます。ちょうど10期目に入りますが、あっという間の10年という感じです。

実家では、父親が代表を務める佐藤則久農園(合同会社ホサナ企画)でコメを生産しています。そして、株式会社フィードイノベーションでは販売とマーケティングをメインにしています。2社体制で10年目という感じです。

――佐藤家はもともと農家なのでしょうか?

佐藤:バックグラウンドからいうと、佐藤家で私が8代目といわれています。

大館市は秋田県の北部に位置し、林業が盛んな地域なので、祖父、曽祖父の時代は農業も林業もやっていました。それで、ずっと農業をやってきたわけです。ただ、林業がメインだったので、農業はちょっと片手間といいますか、農地もあるので、やっているという感じでした。

――農業はどなたがされていましたか?

この記事は、小川真如による個人研究「現代の農業観・農地観」の成果です。