自然の恵みを楽しむ体験型農園に取り組む石坂昌子氏の農業観・農地観

石坂 昌子 氏

1944年生まれ。
東京都稲城市の梨・稲作農家の次女として生まれ、東京都立農業高等学校家政科を卒業後、稲城村役場に7年間勤務。東京都日野市倉沢の農家・石坂家へ嫁ぎ、1994年に農家の四季を楽しみながら体験する講座「自然の恵みを楽しむ会」を発足。野菜の収穫、行事の食事会など盛り沢山のイベントを、一年通して提供している。

 

詳しくは、石坂ファームハウスホームページ。また、生産緑地で60歳以上が対象の高齢者農業体験農園や3世代農園などに取り組んでいる。2015年に第2回東京都女性活躍推進大賞優秀賞を受賞。2020年に第4回食育活動表彰農林水産省消費安全局長賞を受賞。主著に『自然のめぐみを楽しむ昔ながらの和の行事』(家の光協会)。

 

 


高齢者農業体験農園のようす
 

三世代の触れ合いの場を作ろうと始めた「三世代農園」

ソーシャルディスタンスのために庭先販売に新設した自動販売機



目次

■農業、農家へ行きたいなという想いがありました

――農業に対するイメージだとか、農地に対するイメージというのが、変遷もあると思いますが、特にこういったきっかけで、こういう思いが強くなったとかという具体的なきっかけというのはありますか?

石坂:もともとは、稲城町役場というところへ勤めていたのですよ。私は実家も農家だったし、農家へお嫁に来るということは、抵抗感があまりなかったのですね。

――稲城町役場にはどのくらい勤めていましたか?

石坂:7年勤めていました。そのころは、ちょうど職員数がぐっと増えてきた時期でした。入ったときには本当に小さい役場だったのですが、それから急に大きくなりました。

――住宅が急増した時期ですね。

石坂:あと、オリンピックもありました、高度成長になってきましたから、もう役場もあっという間にすごい人数に、なってきたのですね。今まで100人足らず、100人いなかったぐらいだったのでないですか。それが、もうどんどん次から中途採用ですごく入ってくるようになりました。

――配属先は農業に関係する部署でしたか?

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この記事は、小川真如による個人研究「現代の農業観・農地観」の成果です。