ブロイラー経営者・三宅正風氏の農業観・農地観

三宅 正風 氏
昭和28年生まれ。
鹿児島県霧島市にて有限会社三宅農場を経営し、親族3人とアルバイト3人で、ブロイラー年間55万羽を出荷(10万羽×5.5回転)している。
亜細亜大学卒業後、OISCA、JICAなどに勤め、インドネシア、マレーシアなどでの協力事業に従事。48歳で地元に戻りブロイラー経営に携わっている。鶏舎の改良などに取り組み、坪当たり1万円(1回転あたりの受取金額)を狙える水準にまで経営を伸ばしてきた。
 
 
 

三宅農場の鶏舎内
 

■先祖のないがしろにできない何かを感じます

――農業観や農地観というとどういったイメージでしょうか。農地観といってもブロイラー経営の場合は鶏舎ですからとあまり関係ないということもあると思いますが、その辺はどうでしょうか。

三宅:農地は大いに関係ありますね。

――といいますと?

三宅:要するに、うちの現状で言うと、跡取りがもういない。だけど、そこで土地について跡取りがいたらどうするかといったら、跡取りに譲りたいと思っています。

誰かに譲りたい。先祖がここに根を下ろして、何世代ずっとやってここまできていて、そして俺がここに今いてやっている。その中で土地に関して、先祖のないがしろにできない何かを感じます。だから、できたら、養子でも何でもいいから三宅を誰かに継がせて、そして、俺がここまで仕上げたブロイラー経営を持続可能なかたちでやってもらいたいと思っています。

――三宅農場さんの場合は、有限会社ですよね。法人ということは、血縁や養子のような形でなくともではなくてもいいということでしょうか?

この記事は、小川真如による個人研究「現代の農業観・農地観」の成果です。